「いいものを書こう」を捨てる

ここ数ヶ月、なるべく毎日文章を書いてます。うつ病で書けないときもあるし、書けても数行ってことでもあるけど、とにかく書いてきました。メンタルヘルス、セルフケアのコツ、自分の心の状態、アウトプットすることについて、なるべく自分が関心があり、少し役に立ちそうなことを書いてきました。

インプットしてるのに書けない

継続して文章を書く中で、気付いたことがあります。「いいものを書こうとすると、手が止まってしまう」ということです。僕は今仕事をしていません。仕事をしていないからといって、インプットが無い訳ではありません。一日ベッドの上で過ごすことがあっても、SNSや動画は見たりします。調子がいい時は散歩に行ったり本を読んだりします。

つまり、インプットは必ずあります。SNSで誰かの意見に出会ったり、散歩をしていて風景を眺めたり、漫画や本を読んで考えに触れたり、インプットしてないときの方が少ない気がします。そして、インプットする中で、何か考えたり感じたりしてます。情報を吸収していなくても、生活をする中でふと「あ、こう思うな」「あ、今こういう感情を抱いているな」と心の中の動きは絶対にあります。

書く素材は必ずあるはずなのです。インプットしたものを言い換えることはできるし、感じたことを言葉にすることができるはずなのです。でも、実際に机に座って、発信する文章として書き始めると、「何を書けばいいんだっけ?」と手が止まります。少し書き始めても「なかなかまとまらないな」とそのまま発信せずに放置してしまいます。

成功への期待と失敗への不安

なぜか考えた結果、「いいものを書こうとする意識」が邪魔していることに気付きました。文章を書きながら「なんかイマイチだな」「これ自分のエゴまみれじゃないか」と一瞬頭によぎり書く手が止まるのです。自分が「価値のあるものを書ける」「素敵な文章を書ける」と期待してるが故に、書きながら「イマイチだな」と自己評価してしまい、そのまま書き進めず発信せずに放置してしまいます。

「いいものを書こう」「いいものが書ける」という自分への期待が、返って書くことへのハードルの高さとなっています。完璧主義的なのでしょう。何にでも当てはまると思いますが、高い点数・完璧を目指そうとすると、頭の中で「こんなに大変なんだ」と大きく見積もってしまい、一切行動ができなくなります。そして「高い手数・完璧」というのも、明確ではなく、漠然と何となく「いいもの」「いい感じ」を目指してしまい、結果どこから始めたらいいか分からなくなります。

行動への原理って、こういうものな気がします。完璧主義的な人ほど、最初から「いいもの」を目指し失敗の可能性が高くなり行動へのハードルが高くなりすぎて、いいものが何か分からないけど何となくイマイチだからそもそも行動に移さない、という心の流れです。行動を阻害する要因は、「いいものにしよう」という過剰な期待かもしれません。

完璧主義は驕り

僕は期待の強さ、「いいものが書ける」という思いを、「驕りだ」と考えるようにしました。僕の文章に関して言うと、毎日継続して書き始めたのは数ヶ月前です。ライターとして働いたこともなく、文章を書いて一円も稼いだことはありません。それでも「いいものが書ける」というのは、自分の技術を高く見積もりすぎなんです。

どれだけ経験が多く、どれだけ優秀な人でも失敗はします。特に新しいことに挑戦するとそうでしょう。例えば、起業家は今まで誰も挑戦したことのない事業を行っているので、正解が何かなんて分かりません。その中でも事業を発展させ、組織を前に勧めています。失敗の連続があるに違いないです。失敗の方が多いくらいかもしれません。

心が乱れやすい人ほど、他の人と比較し「あの人みたいにできない」「あの人にはあんな簡単にできるのに、私は全然ダメだ」と落ち込みます。事実は、“あの人”は何年も経験を積んでいるのに対して、“私”は始めたばかりなのにも関わらず、「あの人と同じように上手くできる」と基準を設定してしまうのです。結果、そもそも行動をしなくなったり、「失敗している」「私はダメだ」と捉えて落ち込んだりします。正しい客観的な技術への評価ができていない為、失敗を恐れてしまうのです。

メタ意識で対抗

大切なのは、「いいものを書こう」とはせずに、書き続けることです。成功確率は低いと考え、失敗を前提に発信するのです。「失敗を前提に」というより、「私はまだいいものが書けないから、未熟なままでも発信し続けるしかない」と捉え直します。だって、「いいものが書けないなら、書かない」とすると、ずっと上達せず、ずっと書くことができないからです。

僕は最近、メタ意識で「書くのを止めよう」という心の動きを封じ、そのまま書き続けるようにしています。書いていると「なんか気に入らないな」「誰か読んでくれるほど中身がないかも」という不安や恐怖がよぎるのですが、その不安や恐怖を認識し、あえて無視して書き続けます。一度書く手が止まってしまっても、「大したことが書けなくてもいい」「イマイチ刺さらなくても書かないよりはいい」と信じ切って、書き進めます。

自分に期待しすぎないことです。とにかく「いいもの」「すごいもの」が書けると驕らずに、失敗を前提に書き続けることです。まだいいものなんて書けないし、恐らく「何かが足りない」という感覚はいつまで経ってもそこに残り続けるでしょう。でも、成功を期待するが故に失敗を恐れて何も発信しないより、下手でも不器用でも発信した方が、誰かに刺さる可能性は高いです。100点を目指して全く行動せず結果的に0点となるより、1点でもとにかく行動した方が、成長・価値創造に繋がるでしょう。

とにかく行動する

書くことについて焦点を当てて書きましたが、全ての行動・挑戦について言えることだと思います。メタ意識で「失敗しそうだな」「リスクがあるな」と検知しても、そのメタ意識に反抗して、とにかく行動するのです。もし書く活動をしたい人は、参考にしてみてください。絶対に自分の中に素材はあるはずなので、書けないとすると、「いいものを書こう」とする意識が邪魔をしているはずです。

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